シーズン1 Ep8 祖母の死

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転生したらスライムだったらどれだけ良いかと思いますが、おそらく命は一度きり。

生まれたら、死ぬまで生きて、死んだら灰になって、それで終わり。

生きることと死ぬことなんて、重たいテーマのようで、言葉にしたらそれだけのこと。

だけど広い宇宙で、唯一かもしれない生命体のある惑星に生まれ、しかも人間という特別な進化をとげた生き物に生まれ、しかも自分に生まれた。

それってすごくない?

祖母の葬儀に向かう車の中で、娘に話していたら、「いったい何の話よ」と妻からツッコミが入りました。

「ママは夜ご飯のことしか考えてないからね」。

小さな声で娘に告げると、「パパがママはご飯のことしか考えてないってー」とすぐに密告されてしまい、「けんけん、そういうところよ」と云ふことでございました。

戦時中、蛇を食べて生き延びた祖父は最強の存在でした。

強くて、怖くて、子供たちもたくさん怒られたそうです。

祖母は真逆で、怒る姿なんて想像できないくらい穏やかで優しいひとでした。

子どもたちはみんな祖母をしたい、甘えて育ったようです。

息を引き取るまで付き添った母は、眠たくて疲れていただろうけれど、長女の責任感で葬儀の準備から初七日まで、立派にやり遂げました。

義理の息子だった父がなぜか喪主に代わって挨拶をして、祖母の卵焼きが美味しかったくだりでは感極まって泣いていました。

病気で葬儀に来れなかった叔母の心からの言葉が流れ、みんな涙しました。

80を超えてからは病気をし、退院をきっかけに施設へ入り。

大きかった祖母は別人のように小さくなって、孫の顔も忘れてしまいましたが、幼いころ毎週のように通った祖母の家とか、土間で料理している姿、「けんちゃん」と優しく話しかけてくれる声とか、チラシでたくさん作ってたゴミ箱とか、葬儀のあいだにいろんなことを思い出しました。

93歳、最後はスヤスヤと眠っていたようで、大往生だとみんな言っていましたが、苦労に苦労を重ねながらその年まで生きることは、本当に大変だっただろうと思います。

娘は受付係をして、収骨もしてくれました。

現代っ子の娘に、アニメではない、現実の死というものを、最後に祖母が教えてくれました。

どうせ死ぬのに何で生まれるんだろうとか人間は考えてしまうけど、おばあちゃんが居なかったらパパもいないし、ふうもいないよね。

ありがとうって、見送ってあげようね。

生きることは死ぬこととも隣り合わせ。

人間は賢すぎるあまり最も愚かな生き物で、憎しみあい、奪い合い、殺し合い、平和な日本ですら、いじめで命を落とす人もたくさんいます。

優しかった祖母のことを考えていたら、すべてが不毛なこと思えてきました。 妻と娘の不毛な喧嘩。

たわいもないすれ違いで始まり、お互いに怒っています。

一度揉めると修復は難しく、口をはさめばさらに炎上するばかり。

何も言わず見守れば、やがて熱は下がりお互いに歩みよります。

最も近い存在ですら揉めるのだから、他人が憎しみあうのは仕方のないことです。

仕事も同じ。

ちょっとしたすれ違いや、意思の疎通がうまくいかなくて揉めることがあります。

目的は同じなのに、不毛なプライドの所為で足並みをそろえることが難しくなることもあります おばあちゃんの葬儀のあと、ずっと生と死について考えていたら、悟りをひらいたような気持ちになりました。

大きな視点にたてば、人の争いなんて取るに足らない、不毛なことに思えます。

妻子の喧嘩も、いつもだったら口を挟んで炎上させてしまいますが、静かに見守っていたら自然修復しました。取るに足らないことに、口を出さなくてよかった。

娘が寝た後で妻に、おれは悟りを開いたよ、あなたたちのケンカはとるに足らないよと申し伝えましたら、「けんけんが言わないからあたしが言うんじゃない。

何もしてないくせに言わないでよ」と云ふことでございました。

賢者になったつもりでしたが、やはり私はドワーフ兄さん

ユニポスを通じて、戦争は止めれなくも、せめて半本だけでも平和をもたらそうと最も重たいテーマにチャレンジしましたが、そんな力があるはずもなく.. しかし、男には負けると分かっていてもやらねばならん戦があるとです。

たとえ思てたんと違う!と魔王ミリムに竜星爆炎覇(ドラゴ・ノヴァ)で焼かれるとしても、私は言いたい。

生きることは、つなぐことです。

たとえ命が消えようとも、次の世代につなぐことで生きていた意味は残るはず。

次の世代へ、子供たちへ、

半本の一人ひとりが意識を持ってつないでいきましょう。

” 墓の下にいても、あなた達の役に立てる。これほどの嬉しいことがあるだろうか ”  

ベートーベン

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