シーズン1 Ep.28 単身赴任のはじめ方

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真夏と真冬は、どうにも気力が湧かない。心が空っぽになってしまって、何かを吐き出そうにも、中に何も残っていない感じがするのです。

ここ数週間、創作意欲もすっかり影を潜め、コラムの筆も止まりがちになっていました。

けれど、そんなときでも言葉を紡がなければならない。小説家というのは、たとえ無からでも何かを生み出さなければならない生き物なのです。

暑さが増すほど、なぜか寂しさも強くなります。単身赴任生活をしていると、その寂しさはもう、切っても切れない友達のようなもの。

かつては、家族に囲まれた生活でした。休日は朝から買い出し、食事の準備、掃除に洗濯。ベランダの片付けや庭の草引きまで。毎日が“フル稼働のSランクパパ”。

良くも悪くも、充実していた日々。でも今は、自分ひとりの部屋。やろうと思えば一日中ベッドで過ごせる。誰にも咎められません。

人間というのは不思議なもので、制限があるからこそ湧いてくる欲望もあります。逆に、何の制限もない自由のなかに放り込まれると、あれほど欲しかったはずのあれこれが、急に色褪せて見えるのです。

時間はあるのに、釣りにも行かなくなりました。とはいえ健康は大事にしたいので、無理してでもジムだけは通うようにしています。

単身赴任生活のメリットは、何より“自分のために時間が使えること”。ジムでトレーニングをして、帰りにサウナで整えて、何も考えずにぼんやりする——それだけでも、十分に自分をリセットできます。

通い始めたのは去年の11月。最初は40kgのマシンも重たかったのに、今では60kg台が扱えるようになりました。大胸筋も、それなりに育ってきています。

単身赴任生活も、気づけば2年と4か月。これからこの生活を始める方に、少しだけパイセンとしてのアドバイスをお届けできればと思います。

■ 単身赴任生活におすすめのアイテム

◎ スマートディスプレイ:Echo Show(アレクサ)

Amazon製のスマートディスプレイで、音声操作で天気予報やニュース、音楽、動画、ビデオ通話までこなしてくれる優れモノ。なにより嬉しいのは、遠く離れた家族の様子をそっと覗けるところです。

災害級の大雨の日、娘の様子が気になってアレクサ越しに部屋を見たら、ケロッとアニメを観ていて安心しました。

寂しさが少し和らぐのはもちろん、家族の“今”が見えるというのは、なによりの安心材料です。

※年に一度のプライムデーでは半額になることもあるので、導入はそのタイミングがおすすめ。

◎ キャンプ道具で部屋づくり:ローバーチェアとシェラカップ

家具選びは、単身赴任者にとって非常に大切なテーマ。 なかでも「椅子」は、毎日長時間過ごす場所になるので、しっかり選びたい。 私のおすすめは、AS2OVのローバーチェア。キャンプ界隈では“名作”と呼ばれる逸品です。少し値は張りますが、それ以上に心を満たしてくれます。

さらに、日常の道具をキャンプ用品で揃えると、生活がちょっとしたアウトドア気分に。統一感も出て、自然とキャンプスキルも上がっていくので、一石百万鳥です。

お酒のおつまみも、キャンプ風レシピが役に立ちます。例えば「生ハムユッケ」——キムチに、千切りの生ハムとキュウリ、コチュジャンとごま油を和えるだけ。こんな簡単レシピを何パターンかストックしておくと、夜がちょっと楽しくなります。

◎ 相棒としての車:スズキ・エブリイ

単身赴任生活において、車は「あると助かる」レベルではなく、「精神的な支え」に近い存在になります。 私の相棒は、スズキの軽バン「エブリイ」。 新車で115万円、維持費も格安。自動車税は4ナンバーなのでたったの5,000円。妻には「おじいちゃんの車」と笑われますが、私にとってはこれが“自動車の最終形態”。シンプルで壊れにくく、荷室は大人が余裕で寝転がれる広さ。無駄がなくて、まさに理想の相棒です。

車って、自分の趣味や価値観を象徴する「自己紹介」のようなもの。移動手段以上の意味を持ってくれる、そんな存在になってくれるはずです。

■ 単身赴任と“誠実さ”

単身赴任は、驚くほど自由です。自由というのは本来、魅力的であるはずなのに、ときに人を無気力にし、誘惑に負けやすくもします。

だからこそ、自分自身に対して“誠実であること”が大切になってきます。

別に、私のようにストイックである必要はありません。ただ、ほんの少しだけでも、心の片隅に置いておいてもらえたら嬉しいです。

心がざわつくとき、不安に襲われるとき。筋トレは意外と、効きます。体を限界まで動かすと、悩んでいたことがどうでもよくなって、夜もぐっすり眠れます。

離れてみて、改めて気づく家族の大切さ。娘は、自分の一部のように感じていたけれど、彼女はちゃんと“ひとりの人間”であり、私とは違う世界を生きている。

離れているからこそ、そんな当たり前のことを、ようやく理解できた気がします。

次に会えたとき、たぶんまた甘やかしすぎてしまうでしょうけど……それもまた、父親の特権ということで。

真夏の、どこか空っぽな心。それでも太陽に焦がれた子羊の誰かに届けばと、使命感だけでこのお手紙を綴りました。

これから単身赴任を始める方へ。

少しでも、あなたの新しい生活のヒントになりますように。

真夏も働く仲間たちへ、心からの愛を込めて。

自分自身と友達になることも、人生おいては大切なスキルです。